2025年3月1日土曜日

内なる光を信頼せよ 2024年度マンスリーデイキャンプ3月1泊例会1日目

3月例会キャンプは、昨年もお世話になった京都YMCAリトリートセンターに来ています。一年間「言葉を大切にしよう」と活動を共にしてきた仲間たちのキャンプです。

先週までの寒さは抜け、春の陽気。まずドラム缶風呂の火をつけて、薪ストーブに火を入れ、せかせかと準備が始まりました。ここ数年、従来の野外活動に加えて「野外生活技術」を取り入れたプログラムを展開しています。能登半島地震の支援でも、それらの技術は即座に役に立ちました。


火を作ること。屋根を作ること。それらの設営をとにかく速く、正確に行うこと。できる人はどんどんすること。そうすることで余裕が生まれて、なんらかの理由で遅い人、遅れざるを得ない人たちに寄り添う余裕が生まれるからです。だから早ければ早いほどいい。

こうして言葉を使っていると、自然にそういう動きになってくるから不思議です。いや不思議というより、より自然に近い場所で、あることを意識して活動するだけで、こんなにもたしかな手応えが現れる。そしてそれは「信頼」そのものなのです。

「言葉に気をつけよ」という命題は、この上なく重要です。森の中で暮らしていると、木々の佇まい、空の壮大さ、風の流れに、ある完全な美しさを感じます。それらを感じる力があること自体が信頼に値する。その力が湧くなら、何ら案ずることはない。

この僕らの活動の源泉は、「自己信頼」という言葉を残したプラグマティストである、ラルフ・ウォルト・エマソンに依拠しています。エマソンはいいます。この美しい自然に抱かれよ。答えはすべてそこにある。それを感じるなら、自らのうちにもそれらはあることを知るだろう。

人々は原生自然から間接化されて、言葉の世界ばかりが大きくなり、その中で右往左往しています。でも言葉は自然の恩恵の中で最も小さなもの。子どもたちは今のように、森に抱かれているとき、自然の完全な美しさに呼応して自らの意志が(まるで瞬く星々のように)、内なる光となって輝いているのを知ります。

この感覚こそ、エマソンの言う自己信頼なのです。この内なる光を絶やさないように、子どもたちには大きくなって欲しいと思います。今も子どもたちは火を絶やさないように、炉に息を吹き込んでいます。

マンスリーデイキャンプで大切にしてきたことが子どもたちの中で輝いています。

そしてそれは次の言葉に込められています。

「あー!いい湯だった!」


笑いながら遊ぶ子どもたち。
みんな明るくてとても良いです。


キャンプディレクター 阪田晃一

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